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 うふふ。  お嬢さま、特製鉄仮面の被り心地はいかがですか?  ええ、そうですよ。お嬢さまが庶民の通う学校に通うにあたり、鉄仮面を嵌めるよう、ご両親にお勧めしたのは私です。  お嬢さま付きメイド兼教育係として、私はご両親の厚い信頼を得ておりますからね。  鉄仮面で顔を隠せば、素性が露見することはない。さらにお着けいただく鉄仮面を不細工にしたうえ、少々の不便を強いるものにすれば、お嬢さまはすぐに根をあげ、庶民の学校に通うことを諦める。  そう申しあげると、ご両親はあっさり提案を受け入れてくださいました。もちろん、私がつきっきりでお世話させていただくことが条件です。  うふふ。  お怒りになられてますか? それとも、お嘆きですか?  もうお嬢さまのお顔は見えませんから、表情からお気持ちをうかがい知ることはできません。  仮面の奥で鼻孔に挿入されたチューブは、声帯を超えて気道に侵入していますから、お声を出されても、シューシューという音にしかなりません。  うふふ。  これで安心ですね、お声でお嬢さまだと気づかれる心配もありませんから。  あ、心配ないといえば、お嬢さまは食餌について、あれこれ考える必要もございません。  鉄仮面の口枷部分に接続されたホースは食道に達しており、そこから1日3回、私の食べ残しをミキサーにかけて作った流動食の餌を流し込んでさしあげます。  うふふ。  おつらいですか? 悲しいですか? つらくて悲しくて、泣いておられますか?  でも、鉄仮面のおかげで、お嬢さまの感情は、他者には伝わりません。  長年お世話をさせていただいている、私以外にはね。  視界を極端に制限され、まともに前も見られないでしょうから、私の介助なしにはどこにも行けません。なにもできません。  そうです。お嬢さまはもう、私を頼りに生きていくしかないのです。  うふふ。  まさに、自業自得ですね。  上流家庭の子女が集う名門校ではなく、庶民と同じ学校に通いたいなどと、わがままをおっしゃるから、こういうことになったのです。  うふふ。  口枷部分の開口部に、栓をしましょうね。  鼻の呼吸孔にも栓をしてほしいですか?  でも、ここに栓をしたら、息ができなくなりますよ。優しい私には、そんな酷いことはできません。  うふふ。  さあ、拘束を解いてさしあげましょう。  鉄仮面装着には特製のリベットを使用しておりますからね。手が自由になっても、お嬢さまの力では外すことはできません。  もちろん、私なら外せますが、そのための特殊工具は別の場所に保管しています。  庶民の学校に通うことを諦め、鉄仮面を外したくなれば、いつでも仰ってくださいましね。  もっとも、喋ることができれば、ですが。  うふふ。  うふふ。  うふふふ……。

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