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 強大な魔法の力と清廉な精神でもって、この町を護ってくださっていた聖女クリスティーナさまが、邪悪な帝国の手で捕らわれた。  もちろん、正々堂々の戦いに敗れたわけではない。卑劣なる帝国は、私たち町娘やほかの聖職者を人質に取り、聖女さまに投降を迫ったのだ。  そうして囚われの身となった聖女さまが、町の広場を連行されていく。  両腕をひとつに束ねる革袋の拘束具――アームバインダーという名の厳重拘束具だとはのちに知った――を嵌められて、呪文封じの口枷を装着されて、家畜のように首輪のリードを引かれ、私たちの前を引かれていく。  足下がおぼつかないのは、つま先立ちを強制する特殊な拘束ブーツを履かされているからだろう。あるいは厳重拘束具のせいで、バランスが取りづらいのかもしれない。  だが、聖女さまは諦めていない。  悔しさをにじませながらも、毅然としたようすを失っていない表情が、そのことを物語っている。  聖女さまなら、これからひと月のあいだ行なわれる調教にも屈しないだろう。  それがどういうものなのか、私には知るよしもないが、帝国の女将軍の手による調教なんかに、けっして負けたりしない。  私は、そう信じている。  私以外の娘たちも、そのことをけっして疑っていない。  だが、その1カ月後、私たちが見たのは――。 小説版も近日掲載予定です。

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