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🔞️ 注意|記事内には成人向表現が含まれています。


Drum-kan works #15 『abnormal/非日常・ジョックストラップ編』

 2015年のコミケ89に出したイラスト集のなかの一つ。再掲にあたってイラスト修正したり小説部分書き足したりしました。ちょっとすけべな下着買って高揚しちゃう男子、良いですよね☺






  (ああ、オレ、こんなエロいパンツはいて学校にいるんだ……。こんな尻丸出しで、股間強調されてるパンツはいて、学校に……!)

 自分が置かれているこのアブノーマルな状況に、少年はこれまで経験したことのない興奮を覚えていた。この後に待つ、絶体絶命のピンチなど知る由もなく――。


 …


 「それじゃハンコかサインをここに……はい、オッケーです!あざっしたー!」

 配達員を受け取った宅配ドライバーが立ち去るのを確認して、玄関のドアを閉めると、少年は小包を抱え小走りで二階の自室への階段をドタドタと駆け上がった。自室のドアの鍵を後ろ手に閉めると、少年はホッとした様子でドアにもたれかかる。

 ひとしきり落ち着いたあと、少年は鼻息を荒くしながら小包を乱雑に開け、中から取り出した小袋の封を開けた。その中には、下着――と呼ぶにははあまりにも布面積の心もとないそれが入っていた。

 (届いた……!これが、ジョックストラップ……!)

 少年はその下着を両手に持ち、目の前に広げた。ただでさえ少ない布面積がさらに強調される。

 ジョックストラップ。本来は運動時に用いるサポーターなのだが、その見た目からその手の界隈で好んで着用されている下着だ。腰のゴムに、股間部分を安定させるポーチ状の伸縮性のある布部分、尻を覆う布の代わりにその下部から尻たぶにピッタリと密着するようにゴムが伸びている。これを着用している間、股間は布部分で強調され、尻は常に丸出しということになる。

 少年がネット通販で買ったそれは、サポーターとして用いられるれっきとしたスポーツ用品であったが、帰宅部である彼がそれをスポーツ用品として使う機会があるはずもなく、もちろん性的な目的のために買ったものであった。

 少年は早速それを着用し、スタンドミラーの前で自分の姿を眺める。


 部屋着のTシャツには似合わない、臀部の露出した下着。そんなアブノーマルな格好をしている自分の姿に興奮する少年。そのうち、少年は自分の"自身"が熱を帯び始めているのに気づいた。

 (勃ってきた……、もう、このまま……!)

 事を始めようと屹立するポーチ部分に少年が手を伸ばした瞬間、

 「お風呂入ったわよー!早く入っちゃいなさい!」

 母親の突然の呼びかけに少年はびくっと体を硬直させる。

 「わ、わかったよ!すぐ行くから!」

 震え声で返事をする少年。ドアの向こう側からの突然の横槍に、先程まで熱を帯びていた少年の"自身"もすっかり萎えてしまっていた。興が醒めてしまった少年はしぶしぶジョックストラップを脱ぎ、脱ぎ散らかしていたパンツをはいて風呂場へ向かった。


 …


 次の日。少年は学校で絶体絶命のピンチに陥っていた。机に突っ伏し、頭を抱える少年に友人が声をかける。

 「おい大丈夫か?次の授業体育だけど、そろそろ着替えないと間に合わねーぞ?」

 友人の"着替え"というワードにビクッと体を震わせる少年。額を机の天板に当てたまま、少年は震え声で返事をすると、友人は頭を傾げながら隣で着替えを始めた。

 (やっぱ昨日、やるんじゃなかった……)

 少年はひたす後悔を繰り返していた。結論から言うと、少年は昨日はいていたケツワレを学校に穿いてきてしまっていた。

 昨日の夜、「寝る前もう一度だけ」とジョックストラップに足を通した結果、興奮がぶり返してしまい、そのまま"致してしまった"のである。思いの外盛り上がってしまったせいで、気がつけば時計の短針は日付が変わってから一、二周回っており、慌ててベッドにもぐりこむも興奮はなかなか収まらず、結果家を出る時間ちょうどに目をさますことになってしまい、急いで着替えたため下着を変えることもできず、時間割に体育が記載されていることにも気付かないまま、今に至るというわけである。

 (体操服さえ学校に置いてってなければ、サボれたのに……)

 少年は目の前の体操服をにらみつける。うっかりロッカーから出してしまったばかりに忘れたと言い訳もできないし、体調不良だと申告しようにも、朝に全力疾走で校門を駆け抜けたのを体育教師に見られているのでこの手も使えないだろう。トイレで着替える手も思いついたが今現在そんな時間的余裕はない。とどのつまり、少年には「クラスのど真ん中でジョックストラップを晒しながら着替える」という選択肢しか残されていなかったのであった。

 (なんとか見られないようにしないと……)

 意を決して少年は立ち上がり、まわりの様子を伺いつつ学ランを脱ぐ。次にズボンの中に入れていたワイシャツの裾を出し、下半身を覆うように裾を握りぐいっと下へ引っ張った。ワイシャツの丈はぎりぎり尻が見えてしまうくらいではあったが、がっつり見られなければバレないであろう布面積だった。あとはタイミングを見計らって、体操服の短パンはきかえるだけだ。

 サイド教室の様子をうかがう。クラスメイトの大半は着替えを済ませて教室を後に、目の前の友人はお喋りに夢中でこちらの事は気にも留めていない。

 今しかない。少年は素早くズボンを脱ぎ、短パンを手に取る。


 空気に晒された尻が涼しいことに羞恥を覚えつつ、短パンに片足を突っ込んだその時。

 「――な、お前もそう思うだろ」

 友人が談話に少年を巻き込まんとこちらを振り向いた。と同時に友人の視線が自分の下半身に向く。

 「え?あ、あっ…………うわっ!」

 どてん。

 動揺した少年はふらつき、短パンに片足を突っ込んだ姿勢でそのまま転んでしまった。

 「おい大丈夫か?……あれっ、おまえ、ケツ――」

 友人が何かを言い終わる前に、少年は短パンを思い切り上にあげ、一目散に教室から逃げ出した。


 …


 気がつけば少年はトイレの個室に逃げ込んでいた。和式便器にまたがり、用を足すような体勢で落ち込み、うなだれていた。

 バレた。確実にバレた。少ししか聞こえなかったが、友人が放った「ケツ」という単語。その時点で、少年はバレてしまったのだと確信していた。だが、先程以上に落ち込んでいるのには別にも理由があった。

 (こんな状況で、なんでオレ勃ってんだよ……!)

 短パンをずらしたその中には、ジョックストラップの前部分の布を突き破らんとする勢いの屹立した少年の"自身"があった。布のテントの先端は先走りで湿り、触ると糸をひく程だ。

 少年は布の中で窮屈そうに主張していた自身を、布の横川からずらして露出させた。ぶるんと音がなりそうなくらい弾みつつあらわになった"自身"。その先端からにじんでいた先走りが、裾から取り出した勢いで飛び、個室の床に弾けるように付着する。

 少年はどくんどくんと脈打つそれを右手で握り、おもむろに扱き始めた。

 「はあっ、はあっ……うっ、くそっ……」

 半ばやけくそな気持ちで少年は自慰を始める。上下にしごくたびに、少年の頭に色んな場面がリフレインした。初めてジョックストラップをはいた自分の姿。学校にジョックストラップをはいたまま授業を受ける自分の姿。ジョックストラップをはいたまま、ばれないように着替えをする自分の姿。はでに転び、友人にジョックストラップを穿いているのがバレた時の自分の姿。少年の頭の中で渦巻いていた恥ずかしさと興奮がどろどろに溶け合うのと比例するかのように、少年の自身からおびただしい量の先走りが滲んでいく。そして、

 (くっ、あ、いく、ジョックストラップはいたまま、イく、いくっ……!ああっ…!!)


 少年が体を震わせると同時に、上下に扱き上げていた少年の自身から勢いよく白濁が飛び出した。普段よりも勢いよくでたそれが、またいでいた和式便器の中に、外に、床に、白い跡をつけていく。

 「はあっ、はあっ……」

  精液で濡れた手。濡れたジョックストラップの前布。尻のほうに垂れる白濁。汗でにじんだワイシャツ。今までで一番の興奮を覚えていた少年はトイレの中で恍惚に浸るも、長くは続かない。

 「はあっ……抜いちまった、こんなとこで……ジョックストラップはいて、学校のトイレん中で……学校で……学校……」

 ふと我に帰る少年。そういえば、体育の授業があるんだったのではないか。それに気づいた瞬間、一気に気分が冷めた。

 「やばい……やばい……!チャイム鳴ったっけ……!?急がないと……!」

 少年はトイレットペーパーで雑に自慰の後片付けを済ませ、足早にトイレの個室を後にした。


 …


 どうやら授業開始のチャイムはまだ鳴っていなかったようで、グラウンドではクラスメイト達が談笑したり、追いかけっ子をして時間を潰していた。

 (トイレで抜いてたのに間に合うとか、どんだけ早かったんだ……オレ……)

 間に合った安堵感と、自分の早漏さに何とも言えない表情を浮かべる少年。それに気づいた友人が、少年のもとに駆け寄ってきた。

 「おい、大丈夫か?いきなり駆け出してったけど……具合でも悪いのか?」

 「……え?」

 着替えのときのことをからかわれるのかと一瞬身構えたが、どうやら様子のおかしい少年を心配してくれていたようだ。心配してくれるのはありがたかったが、先程の着替えの件を見られた事がどうにも落ち着かなかった少年は、意を決して友人に尋ねようとする。

 「大丈夫、ちょっとトイレいきたくなっちゃっただけだから……あ、あのさ、さっき着替えてた時……」

 「あーさっき転んだやつ?」

 「そう、それ、なんだけど――」


 「お前あんときパンツまで脱げてケツ丸出しだったな、ハハ。トイレいきたいからって焦りすぎじゃね?」

 「……え?」

 思いがけない返答にきょとんとする少年。

 どうやら尻丸出しな姿は見られても、ジョックストラップをはいている事には気付かれていないらしかった。自分がこんな下着をはく趣味があること自体はバレずに済んだことに乾いた笑いを浮かべる少年の肩を、友人はからかいながらばんばんと叩いた。


 《キーン コーン カーン コーン》

 授業開始のチャイムが鳴り、体育教師がグラウンドに散っていたクラスメイト達に集まるよう呼びかける。友人に促され、駆け足で体育教師の元に駆け寄る少年。

 (何はともあれ、何事もなくてよかった――)

 走る少年の胸中に安堵が広がる――




 (――のに、なんでオレ――)

 ――と同時に、別の欲望が芽吹きつつあることに、少年はまだ気が付いていない。




 (――見られてなくてちょっと残念だと思ってるんだ……?)

 自分のアブノーマルな姿――ジョックストラップをはいている姿を人に見てほしいという欲望に――。




 終



おまけ1

 妄撮部分なしイラスト差分

おまけ2

 汁部分なしイラスト差分


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