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「ええなぁ。きみ、ほんまにええで」  ピアス先輩が、唇の端を歪めて嗤う。 「うちに劣情をぶつけるため、緊縛まで憶えてくれたんやなぁ。みごとな縛りや、全然動かれへん」  いつもの表情で、私を見る。 「さてさて、うちを無抵抗な状態に貶めて、どんなことをするつもり?」  衝動に突き動かされるように服を剥ぎ取り、先輩を縛りあげた私に、期待の視線を向ける。  そこで、私は先輩の鍵を取り出した。 「うんうん、そうやろな。貞操帯を外して、抵抗できひんうちを凌辱するつもりなんやな」  そう言ったピアス先輩だが、次の瞬間に表情を変えた。 「なんや、自慰防止用のパーツだけしか外さんの?」  それは、いつもすべてを見透かしているような先輩が、初めて私に見せた表情だった。  とはいえ、私の次の行動で、先輩はいつもの表情を取り戻す。 「うふふ……やっぱり貞操帯そのものを外すんやんか」  その言葉には反応せず、先輩の股間を封印していた貞操帯の金属板をゆっくりと下ろす。 「うちのそこを見て、驚けへんの?」  彼女が訊ねたのは、大陰唇と陰核にもピアスが嵌められているからだろう。  だがその程度のことは、私にとって予想の範囲内だった。ピアス先輩は左耳のみならず、鼻中隔や舌にまでピアスを着けているのだから。  むしろ、感情が動いているのは先輩のほうだろう。  彼女は私が取り出してきたものを見て、頬をいっそう紅潮させた。 「それは……うちが買ったものの、一度しか試してなかった貞操帯の追加装備やないか。それに目をつけるとは、やっぱりきみはええ子や。自慰防止パーツを外したのは、それをつけるためやったんやな」  嬉しそうに言ったピアス先輩は、表情は変えないものの、頬を火照らせ朱に染めていた。  貞操帯に追加パーツ――2本の金属製ディルド――を取りつけているあいだも、それを前後の穴に挿入しているあいだも。  そう、先輩はディルドを挿入固定されれば、自分がどうなるか知っている。  そして、私も知っている。装着された2本のディルドを挿入、貞操帯で固定封印されれば、先輩はいつもの表情を保ってはいられない。  しばらくは平静を装っていられても、今まで誰にも見せたことのない表情を、やがて私にだけ見せてくれる。  そう確信しながら貞操帯を元に戻し、施錠してから先輩を見ると――。 「期待以上やわ……きみ、とんでもないサディストやなぁ」  潤んだ瞳を蕩かせながら、ピアス先輩が感極まったように告げた。

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