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ー独房の取引ー 「ごきげんよう、囚われのお姫様、俺と取引をしないか?」 狭い独房で厳重に拘束されている”りゅうごろし”に俺は語りかける。 客観的に見て俺の言葉が聞こえているのか心配になるぐらいの厳重拘束である。 一応、彼女は強化武装『リアクタースーツ』を装備していなければ動体視力が優れているだけの人間に過ぎないのだが、上の連中はそうは考えていないらしい。 かく言う俺も彼女は身体スペックだけでは推し量れない強さを持っていると知っているから過剰な拘束とは思わない。 この厳重具合からして恐らくは『拘束Level4』相当であろうか。 「んぐっ...!」 俺の声に反応したのか身をよじってうめき声を上げたので、聴覚は封じられていないようである。 あるいは耳栓を施された上で俺の声を聞き取っているのかもしれない。 「簡潔に説明する。”ときつかい”を救いたいから力を貸してほしい」 「......」 「お前が必要だ。頼む」 そう言って”りゅうごろし”に装着された目隠しと口元の拘束具を取り外す。 マスク型拘束具の内側で二重装着されていた喉枷は喉奥を隙間なく蹂躙しており、彼女の喉を傷つけないようにゆっくりと引き抜いていく。 「...んぐっ...ごほっ!」 嘔吐きながらも引き抜かれた喉枷は凶悪な長さをしており、一般使用されるものではなく○○用やそれに類する特殊用途の喉枷であった。 大方、この喉枷は鉄拳制裁を被った上層部の連中が処刑が叶わぬならと最大限の嫌がらせを企てた結果であろう。 「...はぁ...はぁ」 「それで対価はこの独房からの解放でどうだろうか?」 「ふぅ......私があなたに求める対価は...」 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ”りゅうごろし”から求められた対価は俺に払う事が可能なものであったが、同時に払うことのできないものであった。 「......わかった、取引成立だな。●●●。」 俺は約束の真剣さが伝わるように”元”相棒の昔の名を久しぶりに呼んだのであった。 それも、おそらくこれが最後になるであろう。

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Comments

idun

過剰なまでに厳重に拘束されちゃってる女の子はいいですね/// 2人が一体どういう契約を結んだのか、これからどうなっていくのか非常に楽しみです♪

kuronoomaro

厳重拘束は正義(だが正義は一つではない) ご拝読ありがとうございます!さてはて物語の結末はどうなってしまうのか?(楽しみ)