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ー裏の話2ー レイリィは過去に天才ピアニストである女の子の指を『トリヒキ』で治したことがあった。 男の話ではその一件が無ければコンクールで優秀な成績を収めて成功することは無かったが傲慢になることも無かったと糾弾された。 彼女が傲慢にならなければ、その後の人生の結果は変わっていたかもしれないと。 レイリィはその指摘に酷くショックを受けるが、男は彼女に話していないことがあった。 コンクール前に指を怪我した天才ピアニストの少女。 彼女は元々傲慢な性格であった。 確かにコンクール後のピアニストとしての成功は彼女をより増長させる結果となったが、それ以前から他者を見下し己の才能を鼻にかけるような人間であった。 そこに悪魔との『トリヒキ』は大きく影響してはいなかったのである。 結局はレイリィが罪悪感に襲われるように巧妙に事実と噓を混ぜる男の手口であった。 ただし、彼女が成功を収めなかった場合の人生の結果は例え悪魔にも男にすらも知らぬことではある。 レイリィの『トリヒキ』は確かに利害関係の一致による形式的なものに過ぎないかもしれない。 それでも、レイリィは確かに少女の窮地を助けたいと思い相手もそれに応じたのである。 そこには確かに”救った者”と”救われた者”がいるはずなのだが”男”には関係の無い話であった。

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