【イラスト101】想定以上のクリスマス (Pixiv Fanbox)
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カラーイラスト4枚のSS付です~。
《追記》2024年1月11日 元々一緒にラフを描いていたモノクロ挿絵3枚カラー1枚も追加しました!(あと元々投稿してあった絵の加工し忘れ部分を修正しました、わからないと思いますが…)
SSは1万字程度、英訳はdeeplを使ってみたところちょっとだけニュアンス違いそうだなと自分でわかったところもあったので、そこだけ書き換えたものを添付しています。
《追記》2024年1月20日文章内の僕を俺に統一しました。
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姫野「休みの日にも上司の顔みなきゃいけないなんてな笑」
有馬「いやいや、姫野さんと過g……御飯食べれて、俺は嬉しいです」
姫野「はは、そういえば案外一緒に昼休憩で飯食うことはなかったかもな?時間被らなかったんだな、三年も一緒に働いているのにな」
有馬「そうですね!たしかに……」
有馬「……」
成り行きとはいえ、ひそかに憧れていた姫野さんと過ごせるなんて……
12月頭頃、
季節外れの暖かさに誘われた俺は外に出て、今年の最後をどう締めくくればいいか途方にくれつつ黄昏ていた。
そんな時、現場を取り仕切っている姫野さんが煙草を吸いに出てきた。
姫野「もう今年も12月だな」
有馬「12月ですね」
姫野「今年もなんとかまぁ無事に終わりそうでよかったよかった」
有馬「そうですね〜……」
姫野「ん?どうした?」
有馬「いやぁクリスマスが……」
姫野「おぉ、今年はクリスマス、イブが休みでよかったな」
有馬「それが逆に……」
姫野「……あー……」
姫野「お一人様ってやつか?」
有馬「えっとそれが、なんていうか、うーん……」
姫野「?俺で良ければ聞くぞ」
有馬「あ、その、クリスマス、一応予定あって」
姫野「おぅおぅいいないいな」
有馬「ホテルディナー……」
姫野「ん!いいじゃねえか!」
有馬「ほんとですか!」
姫野「えっ、いやまぁよくわからねぇけど、なんとなくっぽくねぇかだって、世の中のクリスマスのその、デートっつうと」
有馬「そうですよねぇ、それがよくなかったのか……」
姫野「ん?というと……」
有馬「その俺付き合ってる人いて」
姫野「あぁ、そっちか」
有馬「そっちか?」
姫野「いや」手で続けてのサイン
有馬「えっとそれで」
有馬「えーとその一ヶ月前からちょっとその」
有馬「うーん、なんかもうだめかもとか、思ってたんですけど」
姫野「おぉ……」
有馬「あの、自分的にはその、クリスマスにきちんとそれっぽい、デートらしい感じで?過ごせばなんとかなるかなぁと思ってたんですが」
姫野「ほんほん」
有馬「先週結局振られちゃいました」
姫野「……そうかぁ」
有馬「んでその……まぁいいんですけど」
姫野「いいのか?!」
有馬「えっと……そりゃできればまぁそのままいけたらよかったんですけど」
姫野「ディナーな」
有馬「キャンセルできないからどうしようって」
姫野「あぁそうなのか?」
有馬「一人はさすがに……でもいくらなんでも別れた直後で相手に来てもらうのも気まずいし……向こうの予定も知らないし……」
姫野「そうか、大変だな……」
有馬「もう誰でもいいから一緒に来て欲しい……」
姫野「……」
有馬「クリスマスはじめて一人で過ごす羽目になった……なんとか回避してたのに」
姫野「おぅおぅ、クリスマスなんてべつに気にせず普通に過ごせばいいんだけどなぁ」
有馬「?」
姫野「……お、俺も今年は一人だしな。気にすんな」
有馬「あれ?姫野さんってご家族……」
姫野「離婚した」
有馬「え?」
姫野「今年頭にな……」
有馬「そうだったんですね、なんかすみません、成り行きと勢いで聞いちゃいました。」
姫野「いやいいのいいの」
姫野「……」
有馬「姫野さんも一人なら……いいかぁ」
有馬「でも……いやどっちかというとディナーキャンセルできないのがやっぱ……」
姫野「あぁまぁそうだよな……」
有馬「えー……めちゃくちゃ美味しそうなんだけどな」
姫野「ん……」
有馬「夜景もみえるし」
姫野「んあ、えっと……」
有馬「ほんとにただ一緒にディナーで出てくるものを美味しく食べてくれさえすれば誰でもいいんだけど……」
姫野「……俺が行くか?」
有馬「えっ?」
姫野「あ、いや冗談冗談!男同士になっちまうもんな!」
有馬「お願いしたいんですけど……」
姫野「うおっ!?」
有馬「あっ、すごいいいお店なんです、あ、お肉がメインだし、そんななんていうかおしゃれっぽさもあるにはあるけどそんなに決まりすぎてなくて、けっこうボリューム満点で!姫野さんも気にいると思うし……」
姫野「おぉおぉ……」
有馬「あ、さっきも言いましたけど景色もいいんですよ、最上階にあるからめちゃくちゃ遠くまで見渡せるっぽくて」
姫野「いやまぁ景色は気にしねーよ笑」
有馬「あ、そうですか。でも料理がメインですし!いや姫野さんならきっとおいしく食べてくれるし……」
姫野「ん……お前がいいなら」
有馬「なんでですか?いいですよ!」
有馬「あっ、すみません、中村さんから電話きてる……とりますね、あっこの前の取引先なんですけど……」
姫野「お、おう、気にせず早くとれ」
有馬「あ、あとで!また……」
その後、一旦冷静になり、あの時は勢いで約束を付けてしまったが、姫野さんのあの返事、あれはどう捉えればいいのか、と悶々としているうちに数日経ってしまっていた。
けれど、クリスマスの前の週末、姫野さんから突然メッセージが入った。
「結局どうするんだ?他に一緒に行けるやつ、決まったか?」
姫野「気まずいな笑」
有馬「すみません……男同士で恥ずかしいですよね」
姫野「あいやまぁそれはいいんだけどよ」
有馬「?」
姫野「なんかやっぱりこういうとこは場違いだよな笑」
姫野「一応俺なりにめかしこんできたけど、やっぱちげーな笑」
有馬「いやめっちゃかっこいいですよ!ドキッとしましたもん笑」
いろいろとモタモタして姫野さんを待たせてしまった。
急いでロビーへ向かうと、そこにはいつもと少し違う姫野さんの姿があった。
肉体労働に加え、筋トレが趣味の一つだという筋骨隆々の姫野さんがさらに大きく感じられた。
姫野「そうか?」
有馬「姫野さんスーツかっこいいです似合います。」
姫野「これしか持ってねぇの笑身体が大きいからよ」
有馬「それがかっこいいです」
有馬「あ、えっとそのガタイが良いのがむしろそのスーツ似合うなって、あ、体格がいい」
姫野「なんか緊張してんな笑」
姫野「お、きたぞ」
さすがに立派な料理がたくさん運ばれてきて、もちろんおいしいはずだが、クリスマスに姫野さんといれることに胸がいっぱいで正直あんまり食べた気がしない……
姫野「これ、なんだろうな?」
有馬「すみません、自分もわからないです……」
姫野「はは、気にすんな。わからねぇけどちゃんと上手い」
姫野「あ、お前これ、こっちの緑色のソースにつけてみたら上手い」
姫野「やってみ」
有馬「あ、すごい、ほんとですね。姫野さんさすがおいしいもの見つけるの上手です」
姫野「こんな洒落た店は来たことねぇよ、けどまぁなんとなくな、上手いものはわかる」
姫野さんはなんだかんだ、料理を楽しんでくれているようだった。
勢いで頼んでしまったけど、姫野さんは逆にこういう食事は好きじゃないかな、気取って見た目ばっかりって思われるかも……と勝手に不安になっていたのも杞憂だった。
有馬「姫野さん……えっと、美味しかった、あよかったですか?」
姫野「おぅ!すげーのな、はじめて食ったけどいや、普段食ってるものと違いすぎてわかんねぇのかと思ったけど、全然そんなことなかったな、うめーものはやっぱうめーんだな笑」
有馬「でも思ったよりは量なかったですよね、すみません……」
姫野「そうか?お前後半お腹いっぱいって」
有馬「あ、いや……いろいろまぁちょっとお腹の調子もよくなくて。でも姫野さんにとっては少ないかなって」
姫野「おぉ……まぁ量は俺見てぇな男を対象にはしてねぇだろうな」
有馬「そうですよね、でもおいしかったならよかったです。」
姫野「おう、あ、俺金額知らねぇんだけど……えっとこれくらいでいいか?」
有馬「えっ」
姫野「すまん、急いでポケットに突っ込んだ金だからあんまきれいじゃねぇんだけど……」
有馬「え!いいですよ!」
姫野「いやそういうわけにはいかねぇよ、こんな高い、いいもん食わせてもらって」
有馬「姫野さん払ってもらっちゃったらべつに俺が食わせてるわけじゃなくなるけど……笑」
姫野「いや!まぁそうかもしれねぇけど、俺だけじゃこんな店入ること一生ねぇから」
姫野「……それに、なんていうかお前のその……クリスマスが少しはマシになるようにしてやりたいっつうかな……」
姫野「高い料金払うのがやっぱ気になってるみてぇだったから俺が手助けできる範囲でしてやりてぇなと……部下だしな」
姫野「あ……全部出してやれねぇのはすまねぇんだが……ん、だから一応これだけ、な?」
有馬「……姫野さん、」
姫野「なんだ?」
有馬「あのお金……はいいんですけど」
有馬「あの、はいこれ返します。」
姫野「いやお前ディナーのお金払っちゃったのが気になって今日俺と食ったんだろ?」
有馬「えっと、そのまぁそれもあるんですけど、」
有馬「あの……俺今日ここ泊まるんですけど」
有馬「あ、えとそのお金はいらない代わりにその部屋もその泊まれたらいいなってその、ディナーと一緒でもったいなくて、一人で泊まるのが」
姫野「部屋ぁ?」
有馬「あ、えっと…………姫野さんも俺がクリスマス寂しく過ごすのどうにかマシにしたいって言ってたからその、お金もらうよりそっちがいいかなってちょっと思って言っちゃいました……」
自分でもなんで急に図々しいというか、土壇場でこんな大胆な言動取れるんだ……と思うが口をついて出てしまったものはもう戻らない。
姫野「おぅ……とりあえずどこよ」
有馬「あっえっと部屋ですか?」
姫野「とりあえず部屋まではついてってやる」
有馬「あっはい、えっとこっちのエレベーターで降りたらすぐの部屋で……あっさっき来る前にチェックインしておいてるので、はい」
これは……どういうことだ?
一緒にディナーに行ってくれたことも夢か現実か未だに区別がついていないというのに、姫野さんと一緒に部屋に向かうエレベーターに乗っている……。
姫野「……俺といるほうがマシになるってことなのか?」
有馬「えっ、えっとそんなマイナスな感情ではなくてその、むしろ嬉しいっていうか……」
姫野「そうか」
有馬「あっはい……ごめんなさい」
姫野「なんだよ謝んな」
姫野「とりあえず部屋入るぞ」
有馬「あっ、はい、えっと、どうぞ……」
姫野「おぉ……」
姫野「きれいだな」
有馬「はい……」
有馬「……ここ一人で泊まるのちょっとなって」
姫野「ん……」
有馬「あ、すみません、その……」
姫野「……」
有馬「えっと、、あ、座ってください!」
有馬「あ、いやすみませんごめんなさい。」
姫野「なんなんだよ笑」
有馬「あ、いやなんか……やっぱいいですその。」
姫野「言いかけてやめるのはこっちに気にならせたいのか?笑」
有馬「え!えっと!そのなんていうか……」
有馬「なんとかここにいてもらおうとして座らせようとしてるみたいだなと思って」
有馬「でもそうなのかもしれないかもしれない……」
姫野「笑そんなに気にすんなよ、俺は男だぞ?」
有馬「……」
有馬「あ、はは……そうですよね」
有馬「でもその、もともと男二人で泊まる予定だったからな、あはは……」
姫野「ん?」
有馬「あ、あーっと……その」
姫野「付き合ってたのって男?」
有馬「えっ、と……」
有馬「……」
姫野「だから俺とでもいいからこの部屋に二人で泊まりたいってことか?」
有馬「あ!いや!男なら誰でも良くて姫野さんを部屋に引き入れたとかじゃないです!!さすがにそんなにじゃない……と思いたい」
姫野「……」
姫野「俺が良かったって意味でいいのかそれ」
有馬「あっえっと……その……」
有馬「そういう意味……ですかね……」
姫野「……」
有馬「すみません……引きますよね……さすがにそれは」
姫野「いや」
有馬「え?」
姫野「あ……ちょっと待てな、俺頭良くねぇからちょっと整理させてくれ」
有馬「すみません……」
姫野「だから謝んなって」
有馬「……す、はいありがとうございます」
姫野「……」
姫野「んっと、とりあえず有馬は飯もだけど部屋も俺と泊まりたいってことに……なるのか?」
有馬「そういうことかもしれないですけど……困り」
姫野「かもってどういうことだよ笑」
有馬「あ、その……そうです……!」
姫野「……俺はその……えっとだな」
有馬「せっかくのいいホテルでディナーも食べたし、部屋も取ってあるし、ほんとは過ごせたらいいな、とか……」
姫野「過ごすっつうのは、どういう意味だ?」
姫野「なんかするのか?」
有馬「えっ」
姫野「もともと、どうするつもりだったんだよ」
有馬「うーん……あの……その……一応自分も大人なんで……」
有馬「その……まぁできたらいいなって」
姫野「そうか」
姫野「俺の頭だとわかんねぇんだけど……」
姫野「それって俺としたいって意味にならねぇか」
有馬「あ、ごめんなさい!ほんとすみません、姫野さんに不快な思いをさせるつもりで部屋にさそ……部屋一緒に泊まりませんか、とか……」
姫野「お前がその気なら……」
有馬「!?」
姫野「いいぞ」
有馬「えぇえっと……そのどういう」
姫野「……」
姫野「……下なんか感じねぇか」
有馬「……あっ……え……」
姫野「……そういう意味ってわかんねぇか」
有馬「あっ、そ、その」
姫野「もう聞き返すなよ……その気じゃなくなるかもしれねぇぞ……」
有馬「s、シャワー浴びてきます……!」
期待してた……?いやさすがにそこまでは……
自分の行動にもびっくりだけど、姫野さんの反応は想定できるものではなかった。
こんなに理想的なことなんて……実は妄想で、目が覚めたら自分の部屋のベッドかもしれない……
でも……そんなのはしんどい、せめて、もう少し……あの……もうちょっとだけ見ていられるなら見ていたい。
待たせちゃったな……シャワーを出たらもしかしていないかも……なんて心配しながら眺めた先には今までに見たことのない姿の姫野さんがいた。
姫野「悪い」
姫野「暑くてな」
有馬「あっすみません、空調……」
姫野「いやそれはいいから」
姫野「こっち」
姫野さんが俺をベッドに引き入れる。
姫野さんが座っていたベッドはしっかり沈み込んでいて勝手に中心部へとなだれ込むような形になった。
姫野「一応聞くが」
姫野「いいんだよな?」
姫野「俺でその……」
姫野「紛れるんだよな……?」
姫野「失恋っつうか……」
有馬「……えあ、は、はい……」
姫野さんは歯切れの悪い言葉を紡ぎながらも俺の太腿をその大きな手で押さえ込んでいる。
姫野「わかった」
そのまま姫野さんの大きな身体に圧されてヘッドボードの方へと倒れた
目の前には天井と、少し苦しそうな表情の姫野さんの顔がある。
あ、これから俺…………この顔を近くで見られるんだ。そう思うと嬉しさもありつつ急に自分の顔がどうなっているのか気になり始めて、恥ずかしさがこみ上げて視線を思わずそらしてしまった。
姫野「おい、こっち向けよ」
有馬「はっ、はい!」
すると間髪あけずに姫野さんに口をふさがれる。
今まで妄想してたどれよりも熱くて色っぽい姫野さんのキスに頭の中はパニック状態のまま与えられる快感をただただ享受するしかできなかった。
キスなんて正直ほとんどしてこなかった、行きずりの関係ばかりで別れた彼ともほとんど下でごちょごちょするばかりだった。
気持ちよすぎて思考が完全に停止した状態で暫く続いた熱い口付けはようやく終わったみたいだ。
有馬「はぁ……はぁ……」
有馬「姫野さん、、あの」
姫野「…………」
有馬「その急に…………」
姫野「…………すまん、苦しかったか」
有馬「あっいやその!」
姫野「……俺と最後までできるのか?」
有馬「えあ……」
有馬「よければ……その」
有馬「続きができればいいな、と……」
そう答えたらまたキスをされた。さっきの激しくて脳が痺れるようなキスじゃなくて細かく、短い……息ができるようにしてくれてるのだろうか?
有馬「んっ…………姫野さん、キス…………好きですか?あ、いや……」
姫野「いや」
姫野「まぁいい」
姫野「…………お前こそ」
有馬「え!そういうわけじゃ…………」
姫野「ん……そうか」
姫野「あ……その、もうやめる理由なんてねぇぞ」
有馬「……大丈夫です」
姫野「そ、そんな顔してたらその……ほんとに大丈夫かって思っちまうが」
姫野「……このくらいでそんな感じだと……歯止m……先が思いやられるぜ」
有馬「えあ、大丈夫です!自分、けっこう慣れっこっていうか、あ……」
ここにきて姫野さんの股の間にぶら下がっているモノを思い出した。
そうだ、どう考えたって主張しすぎている股間の膨らみ……いつも横目で盗み見していたのだった……
というかさっき見てた、よく布が耐えているな、というくらいのカッチカチに張ったテント……どう考えたって狂暴なデカさだ。
まさか妄想が現実になるなんて……さすがにここまでは完全なる想定外だった。
こんなこと自慢することじゃないが、そこそこのサイズの相手には自分は対応できるくらいにはなってると思う。
それでも姫野さんほどの体格、アソコのデカさを相手にしたことはない……
姫野「慣れてる……?あぁそうだったな……」
有馬「え、うぁ違くて!多少経験はあるから大丈夫って意味で……」
確かにその言い方だとものすごく◎ッチみたいだ……嫌われただろうか?
姫野「いやそんなやつだと思ってねぇから安心しろ笑」
さっきまで少しシリアスな、凄みのある表情と声色だった姫野さんがいつものような笑みを見せてくれた。
姫野「ん……まぁその覚悟ならいいな」
姫野「正直もうごたごた言ってられねぇ……」
有馬「あ……ぁ……」
姫野「お前も男ならわかるよな、引けねぇところまできてるってこと」
姫野さんはずいぶんと慎重に確認してくるように思う……ノンケとのセックスはほとんど経験がないので、こういうときなんていえば負担にならないかわからない。
そんなことを思った束の間、姫野さんの重量級の身体で完全に乗っかられてしまった。
あ、でも待って下さいまだ姫野さんのサイズを受け入れる心の準備が…………!
って言おうと思ったがすぐ唇をふさがれた。
さっきよりもなんというか……ずっと強い。色気がある人と肌を交わしたこともないこともないが、そんなの吹き飛ぶくらい、なんというかとにかく力強い、男でしかない乱暴さだ。
申し訳程度に羽織っていたバスローブは性急な手つきで多少手こずりながらも脱がされてしまった。
姫野さんにがっつり唇を吸われて、もうそれだけで頭がぼ~っとしてきている。
有馬「姫野さんとのキス……気持ちよくて。俺これ好きかもしれない……です」
姫野「……そうかよ、まぁそれはなによりだ…………ほら下脱がすから腰浮かせろ」
シャワーを浴びていた時点ではまだ俺と一緒にいる姫野さんが幻なんじゃないかと不安で、恥ずかしくて一応パンツだけは履いてしまっていた。
さすがの姫野さんも体重のかかった腰からパンツだけ上手く脱がせられないみたいだ……もう破いてくれたってかまわないけれど。
姫野さんは少し戸惑いがちな手をおずおずと伸ばして、俺のソレを優しく握って上下に動かし始めた。
有馬「あっ!ちょっ…………!」
姫野「悪い…………痛かったか?」
有馬「い、いや。そうじゃなくて…………その気持ちいいです。」
そっちをいじられる気でいなくて、少し身体が跳ねてしまった。
姫野「そうか」
そう言うと姫野さんはまた動かすスピードを速めた。そして姫野さんの指が俺のお尻に…………
有馬「えっ!」
姫野「ん?」
有馬「あ、なんでもないです……」
指でしっかりほぐそうとしてくるなんて……大体の場合、相手も自分もとにかくはやくイきたくて、大した前戯はせず、いきなり挿れてなるべく回数稼ごうとするばかりだった。
こっちが慣らしておかないとむしろ後から文句を言われるくらいだったのだ。
いつぶりだろうというくらい優しくされて……純粋に驚きの声が出てしまった。
でもよくよく考えたら姫野さんのサイズは規格外だ、いくらそうだったからとはいえ、してもらわなければおそらく先っちょすら入らないだろう……
姫野さんのでかい手……その太い指は一本でもかなり圧迫感があるだろうけど、
有馬「……ふっ」
姫野さんの指は不器用で、その手探りな動きが自分が思ってる姫野さんそのものでそんなところにもなんだか胸が苦しくなった。
思ったよりも入ると思われたのか三本目まで入ってくる。さすがに三本になってくると普通の人のでかい部類くらいの圧迫感になってくる。
息を整えて、なんとか姫野さん自身を受け入れる準備を整える。
正直今姫野さんがしてくれていることで、姫野さんのあの尋常ではないサイズを受け入れて俺自身が気持ちよくなれるかはわからない、
けれどノンケなりに頑張ってくれている優しさが沁みて、身体の快感以上の、今まであまり味わえて来なかった喜びで胸がいっぱいだった。
姫野「……大丈夫か?」
有馬「えあ……?」
姫野「お前涙出て……」
有馬「あっ、あはは。あこれは……痛い涙じゃないんで……」
姫野「……嫌になったらとりあえず言えよ……」
有馬「嬉しくてなんか出たっぽいです、だから……」
有馬「もう、来てほしいです、姫野さんの……挿れてください」
実はあんまり直接的に挿れてほしい、なんて言ったことはない、なぜか急にそれだけは恥ずかしかった。
それにそんなこと言わないでも勝手に挿れられてきた。なんだかんだ自分もいろいろが初めてだったのだと気づかされる。
一瞬びっくりしたような表情を見せた姫野さんだったけれど何かを決めたような様子だった。
姫野「……脚、開いてくれ」
有馬「はい…………」
素直に脚を開いた。なんでこんなに恥ずかしいのだろうか。
姫野「力抜いてろよ」
一度姫野さんが身体を離し、ほぐされている間至近距離すぎてあまり見れていなかった姫野さんの顔や全身が目に入る。
これまでもそれなりに逞しい相手とすることはあったはずだけど、目の前にある姫野さんの姿があまりに男……雄すぎて、もうそれだけで……
なんだか耐えられなくて目をつむってしまった。
姫野さんがあの巨大な自分自身にローションを垂らし俺の後ろの穴にあてがったのがわかる。
いよいよだ…………俺は覚悟した。でもなかなか来ないことに違和感を感じた俺は片目をあけて姫野さんの顔を見たらさっきとはまた違う余裕のなさそうな表情だった
有馬「あの…………?」
姫野「…………痛いと思う、我慢してくれ」
そういって
有馬「あっ!ああああ!!」
姫野さんが俺の中を掻き分けて入ってきた。狂暴な侵入者……やっぱり痛い…………苦しい。でも姫野さんで俺の中が満たされてるのがきっと嬉しいってことなんだろう。俺の下半身以上に胸が?脳が?熱い思いでギチギチに満たされている。
憧れるだけで俺みたいな人種と交わることはないと思っていた人とつながっていることがありえるなんて。俺は痛みでなのか喜びでなのかわからない涙がまた目に溜まっているのを心配されたくない思いで、なんとか引っ込めと願う。
有馬「っく、全部…………」
姫野「ん……」
有馬「っあ、あの…………嬉しい…………ですっ」
姫野「…………それならよかった」
結局滲んでしまっている視界で姫野さんの表情はよくわからない、けれど俺の中にある姫野さん自身の熱さが波打って、それでなんとなく姫野さんが自分を拒絶してるわけじゃないって思えたからそれでよかった。
そんなことを考えていたら急に姫野さんが動き出した
有馬「あぁっ!」
姫野「…………悪い、俺もう限界かもしれねぇ」
姫野さんがまた覆いかぶさってくる。姫野さんのオーラ?熱気の結界?のようなものが肌に触れるような感じがした。
近くなった姫野さんの息が左耳に……さらに荒くなっている。
強靭な足腰から繰り出されるピストンは正直このホテルの小奇麗に整えられたベッドを最悪壊してしまうのではないかというほど荒々しい。
姫野「おっぉっおっおっおっおぅっおっおっぉぉっおおっ」
低く響く姫野さんの唸り声は本当に猛獣のようだ。
きっと自分の身体を覆い隠しているであろう、巨大な獣と化した姫野さんの身体がうねっている。姫野さんの長い竿の分だけ腰を大きく、そして激しくスライドさせなくてはならない。
その動きで巨大な両玉が重力?慣性で?そのピストンの速さに間に合わず左右に上下にめちゃくちゃに揺れる。それがときどき結合部付近にあたって、俺は男なのに排卵を促しているみたいだ。
姫野さんの分厚い筋肉が俺を圧して、汗でしっとりとした肌が張り付いている。
姫野「んっんんっはっ、出すぞっ!も、出っ……くっ!!」
有馬「あっああっ、俺っもっ…………!」
実際のところ俺はもう訳が分からなくなっていた。痛いのか気持ちいいのか嬉しいのか、そういった感覚を区別しなくてもいいような気がする、全部ないまぜになっていた。
ただずっと憧れるだけだった人とつながっているという事実が俺には全てだった。
そしてお互い絶頂を迎えた……ようだった。なんと都合がいいことかそこで俺は疲れと快感?で意識を失ってしまった……
今までのはもしかしたらそんな気になっていただけかもしれない、はじめて本当に視界がホワイトアウトする事態を経験したのだった。
目が覚めると隣には姫野さんがいて……どうやらちゃんと夢ではなかった……いやそれとも夢の続きか?
姫野「ん…………ぉはようさん」
有馬「あ……ぉはようございます。あ、あの…………」
姫野「ん、なんだ?」
有馬「…………なんでもないです!」
有馬「あいや……ありがとうございます」
姫野「?ん、あぁ、おう」
有馬「……」
姫野「……とりあえず起きれたってことは大丈夫だよな?」
有馬「あっ、すみませんっ俺っ、疲れてたのかもしれなくてその……」
姫野「?」
有馬「勝手に寝ちゃってすみませんでした……」
姫野「いや、無事……無事っつうか大丈夫なら俺は何も気にしてねぇよ」
有馬「あ……」
姫野「……」
有馬「……」
ちゃんと
「気持ち良かったですよ」
って言えたら良かった…………なんて思いながら、まだなぜか躊躇してしまう自分に驚く。
今までの自分が知らない自分と出会ってなんだかきまりが悪い。
有馬「あっ」
姫野「どうした?」
有馬「……よかった」
超自然的力?奇跡?でなんとか血が出ていなかったようでよかった……
無駄に心配させたくない。自分ならば姫野さんの凶悪なブツを必ずや受け止められるように……
なんて思い出したらやっぱり下半身が自分の物じゃないみたいにすごく重い。
姫野「すまん……結局俺が無理させちまったかもな」
有馬「ああっいえ!あっあっ、こんなほんとにそのっ……こんなことに付き合ってくださって……!」
有馬「ありがとうございますなんで、その、姫野さんが気を病まないでくれたら……その」
姫野「……俺はお前がいいなら……ん」
有馬「はい、ほんとにもう……ありがとうございました!」
なんだかいつもの姫野さんに戻っていた、ホッとした気持ちと、夢じゃないよな?といまだに疑ってしまう気持ち……
自分ばっかりテンパってしまっていて情けない……なんではっきり言えないんだろうか。
姫野「でもよ……」
姫野「まさかな……」
姫野さんがなんだか優しく微笑んでいる。やっぱり非現実的だ……
姫野「俺、一応すげぇ考えてた笑」
姫野「こんなことならあんな頭悩ませてたの何だったんだって感じだな笑」
姫野「でもわかんねぇだろ?こんなことになるとは」
え?なんだか自分の都合のいい解釈しか思いつかない……姫野さんはもしかして俺のこと……
有馬「あの……俺も……あ、自分は少し期待してたかもです、あっ少しはですけどもちろん……!」
姫野「……俺もそうだったのかもしれねぇ。」
姫野「……スーツクリーニング出したし」
姫野さんが柄にもないような小さな声でなんか言ったようだった、でも俺はまだ夢うつつ状態で、完全に起きてなかったようだ。
気になるはずの姫野さんが言ったこともぼぉーっと聞き流してしまっている。
元カレには申し訳ないが、クリスマス前に別れをきりだしてくれてよかったと思う自分にちょっと嫌気が差しながらも
もう少し続け、とまだ夢じゃないかと疑心暗鬼になっている自分を追いやるように姫野さんの腕の中に収まり再び目をつむった。
《終》
↓SSもメインのコンテンツになっている内容なのでほぼ翻訳機ですが英訳済みのテキストファイル追加しました(29日13時45分)。
※もう一枚カラーイラストを追加しました(27日7時15分)。
+できたら一旦没にした挿絵もモノクロで1~2枚追加したいなとかも現状は思ってます。
もともと気になりあってた二人、という都合がいい設定です…笑
クリスマスだけのシーンを描くとなると、正直他の設定にするのが難しく…
主人公が豪華なクリスマスディナー前に振られてるのは事実で、困ってたのも本当ってつもりで書いてはいますが、心のどこかで、新しい恋の相手との素敵なクリスマスをイメージしていたら、そこにずっと気になっていた会社のおっさんマッチョと偶然そのことを話す機会ができ、という雰囲気にしてみました。
マッチョおっさんの姫野さんは本文内にある理由で、ずっと主人公のことを気にしていた感じです、ただきっかけもないし、するつもりもなかったところに降ってきたチャンス?というかそんな流れならば、と名乗りを上げた感じです。
マッチョおっさん自身もべつにそれでどうこうなろう、とかは思ってなくて、純粋に気になってる主人公に優しくしてやりたい、というだけの気持ちで付き合ってやってただけ…なんですけど、若さゆえか、勢いと素直さという大胆さでさらに押されたのは想定外、って感じでこうなりました(主人公を普通のノンケだと思ってたし)笑
キャンセルできないことが理由で一緒にクリスマスディナー行く口実ができた設定ですが、それが違和感かどうか、書いてから気になったりもしました笑が、主人公本人としては、クリスマスに予定がなくなること自体にも不安があって、キャンセルはできるけど、いくらかは返ってこないし、キャンセルして予定なしになるのもこわいっていう意味で選択肢になかった、って感じでみてもらえたなと思います笑
姫野さんはあんまりそういったディナーはよく知らない界隈なので、特に疑問も持たず、という感じ…ガテンな気のいいおっさん、的なキャラなのでそんなに説得力ないこともないかな、と。
姫野さん自体のキャラは感情表現はしっかり表に出す感じでがはは系の豪胆キャラっぽさもありつつ、恥じらったり戸惑ったりも見せれる、そういう日常が透けて見えそうなリアリティあるラインがいいな、と思ってます。
でも実際することするときは、しっかり大人の男(ずるいという意味で)って感じのバランス…文章自体には自信がないですか、キャラ造形はいい感じにできたかな、と思ってます。