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海凪です。いつもご支援いただきありがとうございます。

前回に引き続きまして今回は清書パートのメイキングをいたします。


前回は「カラーラフで9割決まる」などと大言壮語を申し上げてしまったのですが、もちろん清書パートも重要な工程です。

カラーラフまでで培った良さを損なわず、最大限引き出すために必要な作業といえます。

ダメダメなラフでも清書の技術で一発逆転…ということは難しく、イラストが目に留まった閲覧者をさらに引き込むための「強化」に近いものだと思います。

(ゆえにラフだけでも十分作品として魅力のあるものが出せる方もいらっしゃいます。ぐぬぬ)


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前回のメイキングで紹介した通り、清書工程は以下の通りに分けられます。

(①〜⑤はラフ工程)

⑥描き込み

⑦線画

⑧パーツごとに色分け

⑨着色

⑩仕上げ

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では進めていきます!


⑥描き込み

ラフの線画全ての透明度を認識できるかできないかのギリギリまで下げます(10〜20%くらいです)。

その状態で、ラフで色を塗ったレイヤーに直接描き進めていきます。影レイヤーなどを分けたりはせず、そのまま同じレイヤーに描いていってしまいます。線画のない状態の厚塗りとほぼ同様です。(とはいえこれくらいの描き込み量にセーブするのがいいかなと思います。ただしキャラの顔など、バランスがシビアな部分は微調整がきくこの段階で徹底的に詰めています。)





⑦線画

⑥の透明度を20パーセントほどに下げ、別レイヤーに「カラー輪郭ペン」で線画を描いていきます。(カラー輪郭ペンは現在、配布停止になっているみたいです…デフォルトのGペンの不透明度を70パーセントくらいに下げたものでも大丈夫です)

線画用のペンはベストなものがないか未だ探索中です…

ペン先の太さは350dpiのキャンバスで5pxくらいで、現在はかなり細めが主流みたいです。

線は結構粗めですね、、!このあたりは画風にもよりますが、塗りに時間をかけたいので線画はスピード重視です。線に塗りを支配されたくないのでほぼアウトラインのみでシワや細部の描き込みはなるべく省略しています。

この作品では仕上げ段階でガウスぼかしをかけた線画を重ねていますが、その工程を省く場合もあります。(実際にやってみて雰囲気に合えば重ねる感じです)






⑧パーツごとに色分け

パーツごとにレイヤーを作り、適当な色で塗ります。

⑥のレイヤーをコピー&ペーストしてクリッピングし、統合します。

全てのパーツでこれを繰り返します。



全て分け終えるとこんな感じです。

あとはもうお分かりですね…各パーツの透明部分をロックして、ひたすら、ひたすら描き込んでいきます。





⑨着色

⇧キャラクターのみ描き進めた状態です。

自分は割とデフォルトのブラシばかり使っています。1軍は「濃い水彩」「透明水彩」「フラット」「丸ペン」「エアブラシ(柔らか)」、控えに「オイルパステル」「薄い鉛筆」「パステル」「にじみ縁水彩」あたりです。これらでほぼカバーできますが、1軍ブラシに関しては不透明度を中心にステータスを調整したものを3種類ほど作っています。

デフォルトエアブラシは今の厚塗り界隈でかなりキーになるブラシで、特に肌部分やぼんやりした発光表現、差し色などグラデーションや薄い色の重ね塗りが必要な部分では、ぼかしツールではなくエアブラシを登板させるのがセオリーとなっているように思います。

⇧内装も同様に描き進めていきます。

描き込みを密にする部分を絞るのがベターです。全ての部分の描き込みをしっかり行ってしまうと、時間を取られるだけでなく、作品を見る人の視線も分散してしまいます。また海外CGハウスでは「オーバーレンダリング」と呼ばれ、必要な部分以外の過剰な描き込みはリアリティすら失わせると言われています。

その分、必要な部分に関しては一歩踏み込んだ描き込みをします。


基本的に、こういった「見せたくてメインの光をあてているところ」「キャラクターの顔まわり」「見る人が拡大しそうな重要な部分」などは踏み込んで描き込みます。

これらの3つは重複すると思いますので、自ずと絞られてくると思います。


踏み込んで描くとはどう言うことか?を下の画像にまとめました。



上記を踏まえて着色を完了させたのがこちらです。

タイトルにて「神は細部に宿る」と申し上げましたが、どの部分に神を宿らせたいのかをしっかり絞って、踏み込んだ描き込みをすることでそこに神を呼んでくださいね!





⑩仕上げ

仕上げ段階は主にライティング強化になります。

まず「リニアライトレイヤー」で「エアブラシ(柔らか)」を使い、環境光を入れていきます。光による環境色表現(分かりづらくてすみません)は、ほぼリニアライトで大丈夫だと思います。夕方に近い昼下がりの設定なので、オレンジ〜イエローを使っています。


強めの木漏れ日の表現は覆い焼き(発光)レイヤーを使っています。

少し暗かったので、「加算(発光)レイヤー」で、「エアブラシ(柔らか)」を使い、ごく薄く中央部分を明るくしました。


「加算(発光)レイヤー」で、「エアブラシ–飛沫」を使い、粒子を飛ばしています。

透明色を選択したエアブラシで余分な粒子があれば削ります。



以上で完成です!

テスト用アカウントで見栄えを確認し、必要であれば適宜微調整します。


使用ソフトはCLIP STUDIO PAINT EXです。

ご質問等あればお気軽にメッセージをください!

ありがとうございました。


海凪コウ

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