扇さんのエロゲ史概論 (Pixiv Fanbox)
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私、扇希実はエロゲーマーである。(多分)
プレイしたエロゲの数は100を超え、青春時代は1年間に15本以上プレイしたものだ。
そんな、扇さん目線のエロゲ史をちょっと語ろう。意外にも美術史に通ずるところがあるからバカには出来ない。
【エロゲ誕生】
エロゲに通ずるものは結構昔から存在する。その代表的なものが脱衣麻雀だ。
女の子の脱ぎ脱ぎ麻雀で筐体にもなっており、1980年頃には存在していた。一直線にエロを目的として作られている。
1990年代に入ると富裕層ではあるが、パソコンが普及し始め、エロゲもパソコン専用ソフトとして発売され始めることとなる。
まずナンパゲームという企画から学園物のエロゲとして発売したのが、エルフの「同級生」である。この同級生はエロゲ史に残るヒット作となり、単純なエロを求めるゲームに恋愛シュミレーション要素も取り入れた画期的な作品だった。
しかしながらあくまでパソコン。一般認知は低かった。
その中で、家庭用ゲーム機が発売されるにあたって誕生したのが、恋愛シュミレーションゲーム…ギャルゲーである。
代表的なものが1994年のときめきメモリアル。同級生を参考に、一般人が楽しめるギャルゲーとして始めて開発されたのが、ときメモというわけだ。
しかしこの頃のギャルゲーはまだ主人公のステータスをあげるためのミニゲームや運要素もあり(現代のイメージでいえばパワプロ)恋愛要素はあくまでオマケみたいな扱いだった。
その後に発売されたのが弟切草などに代表されるサウンドノベルゲームである。この音楽付き小説ゲームの発売によって、演出、音楽、シナリオによってプレイヤーをミニゲーム無しで世界観に引きこめることが証明された。
この三種の神器(エロ、ギャルゲー、サウンドノベル)が揃って誕生したのが今日のエロゲというコンテンツである。
【西のアリス東のエルフ時代〜葉鍵時代(Leaf & Key)】
1990年初頭のエロゲ業界を引っ張っていたのが、前述のエルフとアリスソフトだった。
この2社はアドベンチャーエロゲ、RPGエロゲ、推理エロゲなど様々なゲームとエロゲを組み合わせて多種多様な作品を作っていく。
筆者がプレイした中でオススメなのが
・1994年「闘神都市シリーズ」(アリスソフト)
・1995年「遺作」(エルフ)※おやぢシリーズ
・1996年「鬼畜王ランスシリーズ」(アリスソフト)
ぶっちゃけこれらの作品は恋愛要素は薄く、プレイもハードプレイが多いため個人的には今となっては中級者向けだと考えている。つまりコアなオタク向け。
1995年に入るとパソコンが一般家庭にも普及し始め、より一般人にもウケやすいエロゲというものを作ることになる。
そんな中、1996年にLeafから「雫」が出る。
これが初のサウンドノベル内包のエロゲだと言われている。
続いて「痕」「To Heart」を発表。
後にビジュアルノベル3部作と呼ばれ、エロゲ界でLeafがトップに躍り出ることになる。
特に「To Heart」はエロゲの枠を飛び越えて一般向けアニメ、漫画になるなど、今でいうメディアミックス化の先駆けとなった作品である。
これに触発されたのが、麻枝准である。
麻枝氏はTacticsに在籍していた時、「Moon」と「ONE」を発表。
更にKeyを設立して「Kanon」を世に送り出す。
泣きゲージャンルの確立である。
サウンドノベルエロゲといえどもPCの技術は今よりさほど高くなく、単調な音楽がまだまだメイン層を占めていたのが当時のエロゲ界。
麻枝氏は更に壮大で効果的な音楽を作り、場面や演出をより強調することに成功したのである。そこが、プレイヤーの涙をさそった。
これ以降、同人業界でもLeaf派かKey派の二大勢力が大変な人気を博すことになる。
これが約2000年までの大まかなエロゲ史である。
ここからエロゲというジャンルはある2人の天才によって更に大ジャンルへと拡大していくことになるが、それはまた次回。