私に影響を与えた特撮作品 (Pixiv Fanbox)
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私は周りの皆さんと比べてだいぶ価値観が違います。
というのは、皆さんが好きだというものに対して私は面白いと感じなく、皆さんがつまらないものと感じるものを私は面白いと感じます。
天邪鬼な性格といえばそれまでで、今日までその性格が私のクリエイターとしての脚を引っ張っているのも事実です。
今日は自分語り。
私に影響を与えた特撮作品を紹介します。
宇宙刑事ギャバンから始まったメタルヒーローシリーズ6作目。
私が高校生の時に見て、感動のあまりに涙が止まらなく、創作するなら必ずメタルダーみたいな重厚な作品を作りたい!と思ったものです。
まぁ…私が感動したくらいなので、世間一般的には不評です。不評でメタルヒーローシリーズ唯一の打ち切りを食らってます。
子供ウケしなかったとか、玩具の売上が悪かったとか色々言われてますw
特撮番組のメイン視聴者層は子供です。だから子供に受けるようなデザイン、ストーリー、演出にしなければならないわけです。
それを考えると、超人機メタルダーは誰向けに作ったのかよく分からなくなる作品です。
デザインが直球すぎる。
メタルダーは赤と青を主とした左右非対称のデザインで非常にゴツゴツした作りになってます。
これは人造人間キカイダーとの対比で、デザインが丸っこくてロボットらしくなかったキカイダーに対し、ロボットらしさ全開のデザインとなってます。
パッと見涙を流しているようなメタルダーのマスク(実際それを意識して作られている)は子供心には不気味に映ります。
これにはアンドロイドとして生まれてきたメタルダーの生きる苦悩をデザイン的に読み取ることが出来て深くてそれがカッコいいのですが、子供目線から見たらどうでしょう?w
第二にストーリーや設定が重くて子供には理解出来にくい。
子供の時はやはりヒーローが戦って勝つという単純ですが、その姿にかっこよさや憧れを抱くものです。
しかしメタルダーの映えある1話は負けから始まります。
それも複数の敵幹部に囲まれてボコボコの袋叩きにされて放逐されるというとんでもない始まり方です。
そして燃える夕陽に向かって一言
「僕はなぜ生まれてきたのだ?!」
まるでDVの家に生まれて捨てられた子供のようなセリフ。
これがメタルダーの1話です。
重いよねw
そこからメタルダーの物語が始まるのですが、負けるならともかく、メタルダーが1話を通して出演しない話もあります。
というのも敵組織であるネロス帝国の敵達も妙に人間臭い一面も持ってたりして
・戦いの美学を追い求める敵
・本当はメタルダーと戦いたくない敵
・家族を愛している敵
・人間は殺せるが動物は殺せない敵
・部下の為に軍規を破る敵上司
など
メタルダー以上に各話の敵がめちゃくちゃ魅力に溢れてます。
そのため敵達にスポットが当てられる割合が他の作品に比べて多いのです。
挙句の果てに、親の仇を討つためにメタルダーを殺しに来るという、え?これ本当に子供向けなの?ってくらい重い話しが続きます。
第三に玩具の売上。
ヒーロー物は玩具の売上がめちゃくちゃ大事です。昨今のウルトラマンや仮面ライダーが武器や変身アイテムにめちゃくちゃ力入れてるのはそのためです。
しかしこのメタルダーという作品は、玩具の売上が悪かったんです。というより自ら作品内で玩具の売上は要らねぇ!と言ってしまってます。
それは6話の終生のライバルとなる敵のロボットガンマンのトップガンダーとの戦い。
トップガンダーは武器を持たないメタルダーに対して
「武器を持たない者は殺さない。これはオレの戦いの流儀だ。お前も武器を出せ」(この時点でカッコ良すぎる)
と言います。
対してメタルダーは
「正義を愛する僕に、武器など無い!」
と言い放ちます。
武器は自分自身の身体だと!
男らしくてカッコいいセリフですが、玩具的に言えば「何も売る物は無い!」と宣言したようなものです。
しかもこのメタルダー。
変身アイテムはありません。
「怒る!」と叫んで感情が昂ぶると人間体からメタルダーに瞬転する設定。
怒れば自動的に変身します。
更に必殺技は光る手刀:レーザーアーム。
銃や杖とか剣も持ち合わせず、格闘戦のみで敵と戦い、最後は光る手刀で倒していきます。
そこまでして玩具を売りたく無いのか?と思える徹底ぶり。
それがめちゃくちゃ男らしくてカッコ良すぎるんですがw
もう一つ言っておくと、メタルダーの主題歌にはメタルダーは出てきません。
タイトルは
「君の青春は輝いているか」
男臭さ全開で、めちゃくちゃ説教臭い歌詞が味の主題歌ですが、子供がカッコいいと思えるのか甚だ疑問ですw
しかしながらこのメタルダー。
私のような大きな子供には圧倒的に支持されてる作品です。なのでレビューを書くような特撮オタクの殆どはメタルダーを絶賛してます。それくらい大人向けの作品だったと言えます。
しかしながら大人向けながら子供にも絶賛されたウルトラマンティガという作品もありますので、完全無欠な良作というわけではありません。
ただ大事なのはこういうヒーローから何を学ぶかです。私はメタルダーに学んだことを、今後の作品作りにも活かしていくつもりです。